デビちゃんが見る台湾の社会 時事

2020年台湾総統選挙の盛り上がり

投稿日:09/12/2019 更新日:

2020年1月11日に実施される台湾総統選挙まで、残り約1ヶ月となりました。ニュース専門番組では連日各候補者の動きをライブ中継していますし、また各社はその政治的傾向を大いに反映した討論番組を企画・放送しています。

各党の選挙スローガンを見ると、政権与党の民進党(党のカラーは緑)は「2020台灣要贏,Let’s win」=「2020年台湾に勝利を」、国民党(党のカラーは青)は「藍天再現,台灣UP」=「青天をもう一度、台湾UP!」で、国民党は党のカラーである青色にかけて国民党をもう一度っと言ったところでしょうか。

11月中旬には「不分區名單」=「比例代表のリスト」が公表されましたが、順位を巡って候補者もメディアも連日の大騒ぎ。候補者がメディアを使って順位を上げてもらおうと騒ぐのももうお決まりの光景ですが、流石に閉口してしまうところもあります。

選挙活動で面白いのは、街頭演説が多い日本の選挙と少し違って台湾でよく見られる「掃街」と言われるどぶ板選挙!「掃街」の「掃」は「打掃」の「掃」、直訳は「街を掃除する」です。ナイトマーケットや人通りが多い路地を候補者が練り歩いて有権者に支持を訴える様子はTVでもよく放送されています。護衛がいるとはいえ総統候補自身も街に繰り出しますので、日本人からすると警護は大丈夫なの?!と思うところですが、こうした距離感の近さも選挙が盛り上がる要因のひとつなのでしょうね。

台湾の政党はというと、民進党、国民党の二大政党が圧倒的に強いですが、実際には10以上の政党があります。今日は最後に2018年の台湾統一地方選挙で話題になった政党を一つご紹介。その名も「歐巴桑聯盟(おばさん聯盟)」。路上の選挙運動では「歐巴桑來了!(おばさんが来たよ!)」の横断幕を持って練り歩いていました。得票率は0.7%で全員落選と奮いませんでしたが、日本のN国党と言い、こうしたユニークなネーミングは最近の世界的な(?)流行りなんでしょうか。

今日はここまで!





-デビちゃんが見る台湾の社会, 時事
-, , , ,

執筆者:

関連記事

台湾におけるLGBT

2019年5月17日、台湾において同性婚が合法化され、台湾は世界で27番目に同性婚を認めた国・地域となりました(ただし、偽装結婚を防止するため、台湾人に限定されています)。 台湾においては2003年か …

台湾の選挙 4

今日は、もう少し掘り下げて、内閣を含めた人事について見ていきます。 台湾の総統選挙は、正総統・副総統がペアになって、各党から出馬し、有権者の判断を仰ぎます。この「正総統・副総統ペア」はニュースでは、「 …

台湾のメディア事情 3

ビジネスとメディアの関係を観察すると、台湾人はもともと口コミに影響を受けやすい消費行動・購買行動にありますが、ネタが欲しい記者が多い台湾、口コミで人気のお店を取り上げたり、開店を生放送したりとその報道 …

ミスター・デモクラシー(民主先生) 李登輝総統の逝去

2月から入院中と報道されていた李登輝元総統が7月30日に逝去されました。これを受けて、台湾の各関係機関では、31日に半旗が掲げられ、8月1日から16日まで台北市の台北賓館に献花会場を設け、一般公開して …

2020年台湾総統選挙を振り返って

世界中で選挙イヤーの2020年。1月11日に実施された台湾総統選挙・立法院(国会議員)選挙は、香港情勢の影響もあり、4年前に比しても大きな盛り上がりを見せました。蔡英文総統が優位の中、国民党候補の韓國 …