デビちゃんの独り言

百口莫辯   一人語りの秋の夜

投稿日:13/10/2020 更新日:

10月に入り、気温差が激しくなってきましたが、みなさまお変わりなくお過ごしでしょうか?今日は秋の入にふさわしい(?)一人語りですが、どうぞお付き合いください。

 

ここ2年、台風の季節になると、心温かい思い出とともに、切なく、辛く思い出す方がいます。2018年の台風21号によるバッシングを受けて、亡くなった蘇啓誠(そ・けいせい)処長・元台北駐大阪経済文化弁事処(領事館)です。

 

過去の記事にも書きましたが、デビちゃんは、台湾で職についた駆け出しの時代、及び蘇処長が台北駐沖縄経済文化弁事処処長として赴任さていた期間、仕事を通して大変お世話になりました。どこでお目にかかっても、会う度に「また出た〜!」と気さくに声をかけてくださり、皆のテンションを上げて、乾杯の音頭を取りながら、「痛風なので、飲めないんだけど!」と笑いを誘って、知的に、陽気に、ビールを一口だけ(?)、口に運ばれる姿を、今でも本当に懐かしく、切なく、涙混じりに思い出します。

 

外交官にありがちな敷居の高さもなく、気がつけば隣の席で談笑している蘇処長の微笑みは、2年経っても色褪せることなく、むしろ台風が来る度に、天災・人災に関わらず、どのような形であれ、誰かの大切な人に悲劇がおこらないようにと、自分の中で過度な緊張が走ります。

 

コロナ禍の今年は、ただでさえ厳しい外的環境の中、不条理なことや悲しいニュースも多く、気が滅入ったりすることが多いかも知れません。デビちゃんもまさにその一人ですし、ブログを読んでくださる方の中にも、それぞれの異なる環境の中で厳しい状況に直面している方もいらっしゃるかも知れません。

 

そんな時、デビちゃんは、最後に沖縄を離任される際の歓送会で、最後に交わした会話を思い出し、励みにしています。そしてまた、真実は分かりませんが、蘇処長が長年の知人に送ったとされる最後のメールに記された四文字熟語「百口莫辯­=百の口があったとしても、(相手の誤解がひどく)潔白を証明できない」を心に刻んでいます。

 

「次は、大阪で会いましょう!」と蘇処長は笑顔で言いました。なので、デビちゃんは今年も大阪の一人焼き鳥にでも行って、処長が痛風で飲めないビールで乾杯する予定です!(2019年はしっかり一人でエアーでハイボール乾杯しました@心斎橋。2020年は1月以降、移動できていないので、ぜひ今年中に行きたいです)

 

コロナ禍の中、色んな事情で心がいっぱいいっぱいの方もいらっしゃるかも知れませんが、誰もが誰かにとって、間違いなく大切な大切な方です。デビちゃん自身、小さな明るい楽しみを目標に少しでも前進できるよう、努めています😊

 

どんな辛いことも、過ぎ去れば過ぎたこと。

那麼,過去的就讓它過去吧(そうならば、過去のことは水に流そう/過ぎたことは過ぎたことにしよう)。

 

みなさまにとっても、下半期がより心穏やかに、明るいシーズンになるよう、心から祈っています。とりあえず、ビールで乾杯!ほったら〜〜〜!!





-デビちゃんの独り言
-, ,

執筆者:

関連記事

デビちゃんの独り言 3

過去の第一次・第二次世界大戦で、我々の先代が残した歴史も、その後の復興や高度経済成長の中で「日本」という国が築いてきた「credit」も、現在を生きる我々個々の日本人とどれだけの関係があるのか?世界パ …

デビちゃんの独り言 2

例えば、以前、台湾で住んでいたマンションに日本人駐在員が数人いたのですが、台湾人の管理人さん相手に日本語のみで一生懸命何かを伝えようとしたため、管理人さんが困ってしまい、通訳をお願いされたことがありま …

デビちゃんの独り言 4

今はなくなってしまったTV番組に「ここがヘンだよ日本人」というのがありました。海外でも同じような番組を見たことがありますが、見るたびに本当にやりきれない気持ちになります。 彼らが批判しているのは、その …

新型コロナウイルスの感染拡大防止に対する台湾からの支援

政府や地方自治体をあげてのSTAY HOME週間に突入しましたが、みなさま如何がお過ごしでしょうか?事態が早く収束することを願いながら、デビちゃんもスーパーへ行く以外は、完全に自宅で過ごしています。と …

台湾のマスク外交!?

先の記事で、新型コロナの感染拡大防止をめぐる台湾の国際貢献について書きましたので、少し内容が重くなりますが、今日も引き続き。 現在の国際社会を見ると、まず、国際法における台湾の地位は、政治的に非常に敏 …