外国語学習の中でぶち当たるハードルの一つに、それぞれの言語が使用される生活圏に根付いている宗教や哲学、思想から生まれた言い回しや成語があるかと思います。英語であれば、スピーチの合間に聖書の一節がでてきたり、ラテン語がでてきたりということがありますし、中国語だと論語に始まり、孔子、孟子、兵法等が日常生活でも多用されています。日本人にも馴染みのある「美人局」、中国語の「美人計」も実は兵法三十六計の一つ。ということで、よく用いられている表現をいくつかご紹介していきます!
251.借刀殺人(ピンイン: jiè dāo shā rén)
【意味】刀を借りて人を殺す=自分の手を汚さず、他人にやらせて目的を達成する
【解説】出典は兵法三十六計。トム・クルーズ主演の映画『Collateral』の中国語訳にもなっています。
【使い方】
他想借刀殺人吧。
(和訳:彼は人にやらせたいんでしょう。)
當有人借刀殺人時,你要怎麼保護自己。
(和訳:誰かが、自分の手を汚さず他の人にやらせる場合、あなたはどうやって自分を守りますか。)
有些人說媒體被當成借刀殺人的工具。
(和訳:メディアは、矢面に立つ道具になったという人もいる。)
252.苦肉計(ピンイン:kǔròujì)
【意味】苦肉の策、苦肉の計
【解説】出典は兵法三十六計。
【使い方】
看來只能用苦肉計。
(和訳:苦肉の策を使うしかなさそうね。)
苦肉計都沒用的,他不吃那套。
(和訳:苦肉の計も意味ないよ、彼はその手には乗らない。)
看來姐姐的苦肉計成功奏效!
(和訳:お姉さんの苦肉の策を成功して功を奏したみたいよ!)
今日はここまで!