デビちゃんが見る台湾の社会

台湾の選挙 4

投稿日:20/07/2019 更新日:

今日は、もう少し掘り下げて、内閣を含めた人事について見ていきます。

台湾の総統選挙は、正総統・副総統がペアになって、各党から出馬し、有権者の判断を仰ぎます。この「正総統・副総統ペア」はニュースでは、「◯◯配」となり、◯◯にはそれぞれの候補者の姓が入ります。例えば、2016年の選挙では、国民党は正総統候補に朱立倫、副総統候補に王如玄のコンビで臨んだので「朱王配」、対する民進党は正総統候補に蔡英文、副総統候補に陳建仁のコンビで臨んだので、「蔡陳配」となりました。そのため、総統候補者選びでは、誰とペアを組むのかも大きな話題になります。

そして選挙が終わると、まずは組閣ですが、興味深いのはその人事の動きです。アメリカと似ているかと思いますが、政界と学界(アメリカはこれに加えて金融業界もでしょうか)の関係が非常に近く、特に政権交代があると、一部の学者(大学や中央研究院の学者)は政界入りします。

台湾では、ある大学はかつての国民党のエリート養成機関であったりしますし、また学歴重視の社会的雰囲気の中で、地方政府から国会議員まで、修士や博士学位を取得するために、大学に通っていることもあり、政界と学界は密な人間関係があります。

総統の学歴を見ると、2008年から二期総統を務めた馬英九はハーバード大学博士、蔡英文総統はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士を取得しています。そしてこうしたバックグラウンドを大いに反映して組閣されたメンバーを見ると、例えば、2008年の馬英九総統就任後の閣僚は、36名中22名が博士と博士率は67%!日本だと考えられないですね。有権者からは、「博士内閣」、「博士部長(この場合の部長は、大臣の意味です)」と揶揄されることもありますが、これも台湾ならでは!

今日はここまで!





-デビちゃんが見る台湾の社会
-, , , ,

執筆者:

関連記事

台湾の選挙 1

2020年1月11日の総統選挙に向けて大きく動き出している台湾。その前哨戦と位置づけられていた2018年11月の統一地方選挙では野党・国民党が圧勝したことでますます白熱しています。とう言うことで、今日 …

台湾のメディア事情 3

ビジネスとメディアの関係を観察すると、台湾人はもともと口コミに影響を受けやすい消費行動・購買行動にありますが、ネタが欲しい記者が多い台湾、口コミで人気のお店を取り上げたり、開店を生放送したりとその報道 …

台湾の選挙 3

世界各国で女性のリーダーが活躍していますが、台湾も蔡英文女史が2016年の総統選挙で初当選し、初めて女性が総統に就任しました。 日本でも政治分野における男女共同参画が推進され、公表されている「女性の政 …

2020年台湾総統選挙の盛り上がり

2020年1月11日に実施される台湾総統選挙まで、残り約1ヶ月となりました。ニュース専門番組では連日各候補者の動きをライブ中継していますし、また各社はその政治的傾向を大いに反映した討論番組を企画・放送 …

台湾におけるLGBT

2019年5月17日、台湾において同性婚が合法化され、台湾は世界で27番目に同性婚を認めた国・地域となりました(ただし、偽装結婚を防止するため、台湾人に限定されています)。 台湾においては2003年か …