中国武漢市が発生源と見られる新型コロナウイルスの感染拡大により、今年は緊張感のある年明けとなりましたね。感染が拡大するなかで、日本政府は空港の検疫強化による水際対策や、政府チャータ機による日本人の帰国を進めているところですが、今日はここで台湾の状況をまとめてみたいと思います。
台湾では、衛生福利部(Ministry of Health and Welfare)の中央流行疫情指揮中心が、連日記者会見を開き、最新情報を公表しています。公表によると、昨28日時点で台湾において確認された感染者は8名で、8人目の感染者は、5人目の感染者の夫で初めての家庭内感染例とのこと。日本でも昨日、ちょうど初めての国内感染例が公表されましたので、奇しくも同じタイミングとなりました。
旧正月を迎え、中国駐在員の帰国や観光客が増加するなかで、感染者数が低い数字で抑えられているのは、台湾ではかなり早い段階から対策を始めたことが功を奏しているからだからだと思われます。その取組について見ると、以下のような動きがありました。
1月12−15日:専門家を武漢市に派遣し疾病管制センターや病院で調査。
1月16日:湖北省武漢の感染症危険レベルを2番目に高い「警戒」に引き上げ。
1月21日:台湾初の感染を確認(武漢から帰国した台湾人女性)。
1月22日:内政部移民署は、訪台予定の武漢からの団体客24組、429人の入境許可の取消を発表。交通部観光局は、湖北省行きの団体旅行の取りやめと湖北省からの団体旅行客の受け入れ停止を旅行会社に通達。
1月23日:中華航空及び華信航空は、武漢発着便の運行を取りやめ。
1月24日:交通部観光局は、中国への団体旅行の一時停止を旅行会社に通知。
1月27日:武漢を含む湖北省からの団体客が同日までに全て台湾を離れたことを発表。
今回について言えば、観光業界からの批判はあったにせよ、初動が早く、特定地域との人的往来を規制したことがかなり効果的に作用していると思います。衛生福利部はHTC傘下のDeepQと連携して開設している「line@疾管家」で最新情報や予防法を随時提供しています。ご関心の方は是非ご活用ください!これ以上感染拡大がないことを祈りつつ、今日はここまで。