今日は、もう少し掘り下げて、内閣を含めた人事について見ていきます。
台湾の総統選挙は、正総統・副総統がペアになって、各党から出馬し、有権者の判断を仰ぎます。この「正総統・副総統ペア」はニュースでは、「◯◯配」となり、◯◯にはそれぞれの候補者の姓が入ります。例えば、2016年の選挙では、国民党は正総統候補に朱立倫、副総統候補に王如玄のコンビで臨んだので「朱王配」、対する民進党は正総統候補に蔡英文、副総統候補に陳建仁のコンビで臨んだので、「蔡陳配」となりました。そのため、総統候補者選びでは、誰とペアを組むのかも大きな話題になります。
そして選挙が終わると、まずは組閣ですが、興味深いのはその人事の動きです。アメリカと似ているかと思いますが、政界と学界(アメリカはこれに加えて金融業界もでしょうか)の関係が非常に近く、特に政権交代があると、一部の学者(大学や中央研究院の学者)は政界入りします。
台湾では、ある大学はかつての国民党のエリート養成機関であったりしますし、また学歴重視の社会的雰囲気の中で、地方政府から国会議員まで、修士や博士学位を取得するために、大学に通っていることもあり、政界と学界は密な人間関係があります。
総統の学歴を見ると、2008年から二期総統を務めた馬英九はハーバード大学博士、蔡英文総統はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士を取得しています。そしてこうしたバックグラウンドを大いに反映して組閣されたメンバーを見ると、例えば、2008年の馬英九総統就任後の閣僚は、36名中22名が博士と博士率は67%!日本だと考えられないですね。有権者からは、「博士内閣」、「博士部長(この場合の部長は、大臣の意味です)」と揶揄されることもありますが、これも台湾ならでは!
今日はここまで!