2月から入院中と報道されていた李登輝元総統が7月30日に逝去されました。これを受けて、台湾の各関係機関では、31日に半旗が掲げられ、8月1日から16日まで台北市の台北賓館に献花会場を設け、一般公開しています。(台湾の駐日大使館に当たる台北駐日経済文化代表処でも8月3~7日に弔問記帳を受け付けると発表しています。)
学生時代から、一度で良いからお目にかかりたいと思っていた李総統。晩年は飛行距離が短い沖縄を2016年と2018年の二度訪問されており、デビちゃんは2016年の石垣島でお目にかかる機会がありました。日本全国の李登輝学校の生徒さん方もたくさんいらしていて、和気あいあいと楽しくお酒を酌み交わしたことが懐かしく思い出されます。また、訪日となると、日本・台湾のメディアや関係者も帯同することから、懐かしい知人と再開できる貴重な機会でもあったので、個人的にも大きな楽しみを一つ失いました。
今年はコロナ禍にあって、日本国憲法第22条で保障されている「移動の自由」が制限されています。これまで当たり前に享受していた「移動の自由」が制限されたことで、憲法で保障されているあらゆる権利や自由が、先人の大きな努力のうえにあること、そして失って初めてその重要さに気づくのだということを改めて感じています。
そんな時代の中での台湾の民主化を実現させた最大の功労者の死去。「21歳まで日本人だった」と語り、激動の時代を駆け抜け、国民党による一党独裁から台湾の民主化を実現した偉大な先人の死は、一つの時代が終わったことを強く感じさせます。
台湾が引き続き民主的な社会を享受でき、日本と台湾の友好関係が末永く続くよう見守って下さい。
合掌